The White Chamberレビュー 「ルーカスアーツ」の影響を公言するP&C ADV

  • 2012/06/06 レビュー

PC日本語版を二時間ほどプレイ。二種バッドを経て一周クリア。
ゲームシステム


The White Chamberは、「ルーカスアーツADV」の影響を公言するStudio Trophisによって作られた、
ポイント・アンド・クリックタイプのホラーアドベンチャーです。

基本的にマウスだけで遊べる設計になっていて、
画面上部にカーソルをもっていくと、アイテムインベントリがにょきっと出てきます。
インディーゲームの「machinarium」に似たシンプルな操作系で、すぐにゲームに集中できるのが嬉しいですね。

特定条件を満たすとバッドエンドに直行するマルチエンディングシステムを採用しており、
筆者は二種のバッドエンド後、トゥルーエンドに到達しました。

グラフィック


昔懐かしいアニメ/マンガの影響が強く、クセがある絵柄で、
ところどころカットインするアニメーションの「短さ」からも、どこか懐かしい印象をうけます。

主人公(女性)の性別がパッと見でわからなかったりするなど、絵としては、決して上手いとは言えないものの、
塗りのどぎつさとあいまって、このゲームに必要な雰囲気はしっかりと出ているので、
機能的な意味での役目は果たしていると言えるでしょう。

極端にデフォルメされた絵柄は、
シナリオ世界の「現実味」のさじ加減に柔軟さを付与できる特性があるので、
「この絵柄だからこそ、突飛な世界観を違和感なく吸収できている」とも言えるかもしれません。

ここが良い!


この作品の良い所を三つ上げるなら……

まず、
クリックポイントが極端に小さかったり、謎解きが理不尽に難しいといった事が無く、
クラシックへのリスペクトを感じさせつつも、テンポの良い現代的なゲームになっていること。

また、
ホラーとは言っても、世界観とサスペンスでじっくり魅せるタイプであり、
心拍数を無意味に高めるだけのびっくり箱ではないこと。

それから、
このゲームはメタ構造を積極的に取りいれており、ユーザーに「直接描かれない部分の補完」を促すため、
情報を小出しにする、サスペンスフルなストーリー進行とともに、プレーヤーを強く誘引し、
ワクワクするプレイ感覚が味わえること、の三点です。

他にも、
所々に挿入されるぶっ飛んだユーモア演出が、
鬱屈とした病的な空気のなかでアクセントとして機能していて、
独特な雰囲気を醸成していることも、印象的でした。

問題点


細かい所に粗さはあるにせよ、ゲームプレイに大きな問題は感じません。

問題になる可能性があるとすれば、そのグロテスクな世界感(演出)です。
アニメ/マンガ的な絵柄とはいえ、このゲームのグロ演出は粘着質で、湿度が高いので、
そういったものが苦手な方にはオススメできません。

また、エンディングをコンプリートしたとしても、二、三時間程度で終わってしまうので、
長く遊びたいという気分の時には、向きません。

まとめ

荒削りながら、クラシックへの愛情と、現代的なゲームバランスを融和させた良質な小作品で、
絵柄や世界観に抵抗がなければプレイする価値があるでしょう。

一回り以上前の世代の文化に強く影響を受けているので、
「その時代」を通過した、目の肥えた方には、特にオススメのインディーゲームです。

◆販売サイト
宇宙船を舞台にした、 ホラー アドベンチャー ゲーム。 | The White Chamber

◆オフィシャル(英語版は無料でダウンロードできます)
http://www.studiotrophis.com/site/projects/thewhitechamber

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